Rare Beer Jug / Nord de la France / Late1700s- FRANCE
Rare Beer Jug / Nord de la France / Late1700s- FRANCE
ビエール・ド・マルス(Bierre de Mars)は「三月のビール」または「春のビール」の意。
ベルギーのビール文化の影響から、古くからフランス北部には家族経営の小規模醸造所が多数あり、晩秋に醸造し冬に熟成させた低アルコールの爽やかなビール「ビエール・ド・マルス」を暖かくなった早春に飲む風習がありました。
伝統的なビエール・ド・マルスは20世紀初頭までに衰退し、現在は当時のレシピのビエール・ド・マルスは商業生産されておらず残念ながらその爽やかな春の風味を味わうことはできませんが、いくつかのフランスのクラフトビール醸造所が現代的な醸造方法によって生産し、ビエール・ド・マルスの名と伝統を引き継いでいます。
18世紀の終わり頃、ビエール・ド・マルスをテーブルサーブする際に使用していたこの陶製のジャグ。三月、暖かな春の訪れと共に出荷が始まるビエール・ド・マルスを、当時の民はどれだけ心待ちにしていたことでしょう。フランスといえばワイン、だけではない美しい風習を今に伝える希少なアイテムです。
ジャグ(Cruche, Chope)は、おそらくサンスニー製陶工場製(Faïence de Sinceny)。
Φ11.8cm x W16cm x H16cm
*とこどころチップはありますがヒビはありません。(各画像)*内部はとてもクリーンで清潔です。(画像⑬)